ろうそくのはじまりと歴史
■ろうそくの歴史■
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ろうそくのはじまり
最古のろうそく(キャンドル)は、紀元前から作られていたといわれており、燭台が発見されたことからエジプトが最古といわれています。
その当時は油成分を使い、今とは違う形で使用されていました。
初めてのろうそくの原料
朝鮮や中国で使われるようになってからは動物の油で作られていたろうそくもあったようですが、
確実なのは、紀元前200年代「漢」の時代に、蜂の巣を使った「みつろう」を主原料に作られたろうそくが使われていました。
唐の時代に使いやすい形となり流通するようになったそうです。
日本への渡来と国内生産
日本へ伝来したのは奈良時代。
中国、唐の時代に「みつろう」で作られた「みつろう」が輸入されたことが始まりです。
ですが、遣唐使の廃止により輸入品がなくなったため、その技術を使い日本でのろうそくの生産に繋がっていきます。
室町時代に国産ろうそくが作り始められていくのですが、当時は材料も含め、記述的にも大変貴重な品だったので、宮廷・貴族・一部の寺院などでのみ、使用されていました。ドラマや時代劇で活躍した武将の恩賞に「ろうそく」が使われたとの説もあります。
その後江戸時代には生産も普及し、材料も漆やハゼの木から採れる油の「木蝋」を使うようになりました。
ろうを搾り取る漆(うるし)やハゼの木の栽培が各藩で奨励され、生産量は大きく伸びたといわれています。
とはいっても、高価な照明であることに変わりなく、民衆の日常生活で使われることはあまりなく、贅沢品・嗜好品として浸透していきます。
吉原の遊郭では沢山のろうそくが使用され、その豪華絢爛な様子が今に伝わっています。
一般的な日常生活の灯りとしては、「灯油(ともしあぶら)」が使われており、菜種油等の植物油に芯を指して使用していました。さらに農民・平民となると使い勝手は悪いですが「魚油」を使用していたといわれています。イワシやサンマやクジラなど、生臭く明るさも植物油に比べると乏しかったようですが、安価だったため使用されていました。
日本での一般への普及
江戸時代後期、時代が進むにつれて製造技術も進歩していき、次第に使いやすい商品として浸透していきます。
比較的豊かな武士や商人が冠婚葬祭などの儀礼で使用することが多く、命日にお仏壇で使用するなど贈答品としても使われるようになります。
日本全国に広く安価な商品として普及し、日常的に使用されるようになったのは明治時代に入ってからです。
西洋ろうそくの国産化が始まり、品質も安定して大量生産できる石油系原料で作られるようになり、安価となったため、日常の生活として私たちの生活の灯りとして使われます。
同時に和ろうそくは用途が限定され、減産を余儀なくされていきました。その結果、伝統や技術も失われていきます。利便性の高い商品の流通に比例し、手作りの物や技術が衰退するという流れであったといえます。
その後、時代とともに“明かり”の主役は、ガス灯や石油ランプ、そして電灯と目まぐるしく入れ替わっていきました。